社会福祉法人山形県コロニー協会

ワーカビリティ·アジア(WA)2016
in バンガロール(インド)参加報告

ワーカビリティ·インターナショナル(WI)には、世界42か国·地域131の障がいのある人の就労を支援する団体が加盟しています。

そのアジア組織であるワーカビリティ·アジア(WAsia) には、13か国·地域39団体(2015年4月1日現在)が加盟しています。日本からは、全国社会就労センター協議会、日本セルプセンター、きょうされん、ゼンコロの4団体が加盟し、ワーカビリティ·インターナショナル·ジャパン(WIJ)を構成しています。
ワーカビリティ·アジア(WAsia)会議は、毎年会員のいる国で開催され、2016年はインドのバンガロールで開催されました。山形県コロニー協会からは事務局·渡辺 博樹が参加しました。以下その報告になります。

  • 期間

    平成28年8月23日(出国)~平成28年8月28日(帰国)

    インドへの道

    インド入国にはビザが必要でした。ネットからダウンロードした全文英文の申請用紙に、英文で記入し東京のインドビザセンターに郵送。しかし、不備があり一旦パスポートごと送り返されました。また、出国前日に台風10号が関東地方に上陸し、羽田空港までの行程も大変気をもみました。

    写真 往路:タイ航空(B747型機バンコク乗換),帰国便ではA380(総2階)を初体験

    ワーカビリティ·アジア(WA)

    アジアにおいて、障害のある人の労働及び雇用についての現状を把握し、課題を検討しながら交流を深め、進むべき方向を展望する団体。私たちのゼンコロは、きょうされん·セルプ協とともに加盟しています。
    2016年8月現在、ワーカビリティ·アジアの正会員は14か国·地域の45団体です。

  • 開催地 インド·バンガロール

    私の世代では、70年代にテレビ放映された「レインボーマン」(インドで修行した!)という特撮ヒーローが懐かしく思い出されます。
    バンガロールは、首都:ニューデリー·ムンバイに次ぐインド第三の都市です。街中、人·車·バイク·オート力車であふれかえっていました。南インドの高台にあるとのことで、暑さが感じられず、ホテルの部屋でも冷房はほとんど使いませんでした。
    バンガロールはIT産業の集積地であるため、インドらしさに欠けるとガイドブックにありました。しかし、私が行動した範囲では、日本人がイメージする「インド」に満ちていました。
    街中ではサリー姿の女性も見かけましたが、なぜか男性が圧倒的に多いようです。服装も日本のようなTシャツ·半袖·短パン姿はほとんど見かけず、皆、地味な色の長袖シャツを着ています。
    初日に散策した市場は、一旦はぐれたら日本はおろかホテルにも帰れないと思われました。

    写真 バンガロール市内の市場にて

    ホテルでの食事は、スパイシーなインド料理が豊富でした。朝食会場や休憩時のロビーのビュッフェで、山形名物「玉こん」のようなものを発見。食べてみると、ホットケーキをまるめて蜂蜜でからめたような甘い菓子でした。

    言語

    英語が公用語であることを実感しました。日本からは専属日本人通訳者が同席しましたが、会議において通訳が付いたのは日本だけでした。我々日本人は、会話において大きな「障がい」をもっていることを痛感しました。
    一方、マレーシア·台湾·香港からの参加者とは、片言の中国語でコミュニケーションが取れました。中国語といっても、我々外国人が学ぶのは「中国標準語(普通話)」なので、中国本土以外の中国語とは、漢字表記や発音、イントネーション等が大きく違います。それでも、お互い親近感をもつことができました。
    また、手話も片言ですが施設見学時や会議の休憩時に役立ちました。とにかく、何らかの方法で相手にアプローチすることが大事です。

  • 会議 トラック3:障がい者の生計

    通訳の関係上、私たちは二日間を通して「トラック3」の参加となりました。このトラックでは、二日目に東京コロニーの鶴田氏の英語による発表がありました。
    鶴田氏のスピーチでは、自身の経緯はもとより、東京コロニーの歴史や大田福祉工場の役割などについて語りました。
    別のセッションでは、インド銀行のサーカル氏が、自身の銀行の障害者雇用の取り組みについて説明しました。一人の行員の行動から始まったこと。そして「ヘレンケラー賞」を受賞したこと。それにより、社員の士気が高まったことなどを説明しました。この「士気が高まる」·「意欲」を引き出す·「やりがい」を感じるといったことは、福祉サービス従事者にとって大きなキーワードになると思います。

    写真 会場(宿泊先)のパークロイヤルホテル

    写真 ホテル1階の会場前ロビー

    写真 会議会場の様子.1

    写真 会議会場の様子.2

  • 見学·交流

    今回、下記2件の施設見学がありました。

    SAMARTHANAMU TRUST FOR THE DISABLED(8月25日 夜)

    大規模な建て替え工事を実施している中での夜間の見学となりました。インド国内でも最大規模の施設で、代表者も全盲の方とのこと。様々な障害のある子どもから青年まで(視覚障がい者も多い)500人近くが学び生活しています。障がいがある人も支援スタッフとして働いています。DVに対するケアを必要する女性の棟もあり、利用はすべて無料です。

    ENABLE INDIA (8月27日 午前)

    最終日の見学は、APD·ENABLE·VINDHYAの三ケ所が用意され、私たちのグループはバスでENABLE INDIAを訪問しました。1991年創立で障がいのある人が訓練を受けながら働く施設です。
    最初に1階フロアで、トレーナーとトレーニーそれぞれから、自分の役割や取り組んでいる訓練について説明がありました。その説明ぶりが実に生き生きとして感じられるのは、単に国民性の違いだけではないように感じました。

    写真 施設見学.1 夜間にもかかわらず大歓迎

    写真 施設見学.2 正面玄関

  • 最後に

    改めて自分もアジアの一員であるという認識を、そしてアジアに対する仲間意識が芽生えたような気がしています。
    会場内では記録用と思われる撮影も行われていましたが、今回の会議について、インドメディアでどのように取り上げられたのか気になるところです。 
    短期間でしたが異文化体験をしたことで、多様性を受け入れたり、理解したり、共感できる柔軟な発想力や対応力が必要であること、そして、それが福祉や支援の基本になるのではないかと思われました。

    写真 日本人参加の皆さんと(中央は通訳の方)

    写真 会場ロビーのサインボード

    写真 アジア各国の参加者の皆さんと

    写真 牛は自由に闊歩

    ※掲載した写真は、同行の日本人参加者の皆さんが撮影したものも使用しています。